効果的なコミュニケーション
コミュニケーションを取る上で相手に合わせることは非常に重要です。
人は情報や知識を認知、理解、記憶、表現するために異なる優位感覚を持っています。
私たちは旅行や印象的な出来事を通じてさまざまな思い出を築いていますが、その中でも最も鮮明に蘇る思い出は何でしょうか?
美しい風景や印象的な建物、海の音や感動的な音楽、美味しい食事に満ちた満足感、そして大切な人々との触れ合いなど、人それぞれが異なる感覚と経験を抱えています。これらの思い出は、私たちの優位感覚や感情によって深く影響を受け、心に刻まれます。1番を選ぶのは難しいかもしれませんが、同じ旅に出ても、人それぞれ一番印象に残る感覚は違います。
今回の記事では、この異なる優位感覚について解説していきます。
優位感覚を知る
優位感覚については、主に次の3つのタイプに分けられます。
視覚、聴覚、体感覚、3つの感覚のどれを優先して使っているかが、人やシーンによって違うことが研究によってわかっており、感覚がかみあわないことで、コミュニケーションにおける誤解や食い違いが起きると考えられています。
これらの優位感覚の違いは、コミュニケーションの取り方にもその特徴が現れます。
3つのタイプの特徴を見てみましょう。
■ 視覚優位の人
視覚優位とは、目で取り入れた情報処理が得意な人を指します。
視覚優位の人の特徴
このタイプの人は視覚情報に敏感で、視覚的な言葉や表現をよく使います。目の前に何かがあるように話すため、頭の中で映像やイメージを思い描きながら話をする傾向があります。
- 身振り手振りが多い
- 話すテンポが早く、声のトーンが高い。
- 過去の記憶や未来像も映像的なイメージを伴うことが多い。
- 映像を頭の中に思い浮かべながら話す傾向があります。
- 思い浮かんだ映像を次々に言葉にして表現します。
- 話しているときの目線は上向き。
- “見える”や”イメージ”など、視覚に関連する表現が多く使われます。
視覚優位の人とのコミュニケーション方法
- 状況や物事を具体的に描写すると、相手がよりイメージしやすくなります。
- “見た目は~だ”や”色とりどりの~”など、視覚的な表現を取り入れると効果的です。
- 写真や動画、プレゼンテーションを使って情報を伝えると、より理解しやすくなります。
- “どんな風に見えた?”や”どんな印象を受けた?”など、視覚的な感想を聞くことで、相手の視覚優位性を活かすことができます。
- 目に見える出来事や場面を交えて話すことで、視覚的なイメージが鮮明になります。
- 話す環境はきれいに整えておくことが大切です。
■ 聴覚優位の人
論理的な話し方で言葉を重視する傾向があります。
聴覚優位の人の特徴
このタイプの人は、話は論理的、会話に正確な言葉を選び理論的です。声の調子や言葉に反応しやすく雑音が苦手です。
- 表情はあまり変わらない、冷静
- 話は論理的、会話に熟語や難しい言葉を使用
- 言葉が大切、言葉を選ぶ、理論的
- 音楽や電話が好き
聴覚優位の人とのコミュニケーション方法
聴覚タイプの人には、できるだけ論理的に話ができるよう、整理をしておくことが必要。相手が発した言葉を整理するように、キーワードとして使いながら話を進めることで信頼が生まれます。また「あなたはどう思いますか?」「どう考えますか?」といった、「思う」「考える」などを入れると話を聞きだしやすくなります。
- 言葉の強弱やテンポの変化を使って、重要なポイントを伝えましょう。
- 具体的な事例や例を挙げて説明すると理解しやすくなります。
- 重要なポイントや情報を繰り返し説明したり、要約したりすることで、相手が理解しやすくなります。
- 図表やグラフを使って情報を補足すると、相手がより理解しやすくなります。
- 言葉の音や抑揚を使って感情やニュアンスを伝えることが重要です。
- 聞き心地のよい丁寧な話し方を意識し、話す環境も静かな場所を選びましょう。
■ 感覚優位の人
感情的にものごとをとらえることが得意です。
感覚優位の人の特徴
喜怒哀楽の感情表現が豊かで、また相手の気分や感情を敏感に捉えます。
- 会話の時に耳、眉間、口元に手を置いたり、体の一部に触りながら会話をする場合が多い。
- 体を使って感じながら話す傾向があります。
- 話すスピードは比較的ゆっくりで、身振り手振りが多いです。
- 感情豊かに話すことが多いです。
- 話しているときの目線は下向き。
- “~な感じがする”など、感覚的な表現が多く使われます。
感覚優位の人とのコミュニケーション方法
- 具体的な体験や感覚(触って貰うなど)を共有すると共感を得やすくなります。
- ゆっくりとしたテンポで話す。
- 言葉は感情表現を多用して、わかりやすく。
- 会話がゆったりとしているので、こちらはしっかり待つことで、相手の信頼を得ることができます。
- 身体を使って感情や状況を表現することが重要です。
- “どんな感じがするか教えてくれる?”など、相手の感覚について尋ねることで、理解が深まります。
- 話をする環境については、温度や湿度、香りに気を遣うようにしましょう。
まとめ
人それぞれには優先的な感覚があります。時には相手や状況によって、その感覚を意識的に切り替えることも必要です。優位感覚の違いは、会話のテンポや理解度に影響を与えることも少なくありません。自分が得意とする感覚以外の感覚にも注意を向けることで、新たな発見があるかもしれません。
自分の優位感覚を知ることはもちろん、友達や会社の同僚などとのコミュニケーションで相手の有意間隔に意識を向けることで、新たな視点が開けるでしょう。これは婚活にも生かせる貴重なスキルです。
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